他人が使うものを選ぶときは品質を重視する
文部科学省の「GIGAスクール構想」を受け、徳島県教育委員会が令和2年度に調達し、県立高校などに配った「1人1台」のタブレット端末16500台のうち半数超が昨夏以降、バッテリーが膨張する故障が急増して、教育長が引責辞任したそうだ。
こうした機器の不具合や故障はどのメーカーでも起こりうることで、私の会社で使っていたiPad Airが片っ端からバッテリ膨張を起こして交換を手配したこともある。扱いが雑になりがちな学生の教育用として配布するには、メーカーや製品の選定基準が甘かったのではないかと思う。
リスクマネージメント
私は小学生になる前からパソコンを触っていたので、小学生時代にはすでに親に連れられて秋葉原に行っていた。パソコンは若い頃まではすべて自作品だったし、ジャンク品には何度も泣かされた経験がある。
パソコンに詳しいとは思っていないが、経験値だけはあったので、大学生時代からパソコンの選定や管理、サーバーの運用などを担当することが多かった。それは会社に入ってからも同じで、いつの間にかそういうポジションを任されることが多い。
自分が使うものと他人が使うものは選定基準を変える
パソコン、タブレットなどの機器を選ぶとき、個人で使うものと会社や学校など他人が使うことを前提とした環境とでは選定の基準とウェートはかなり異なる。
私個人が使う物であれば、多少の不具合があっても壊れたとしても自己責任。交換手配も自分でやればいいし、その間使えない不自由さも自分だけが我慢すれば済むので、その時の予算や過去の経験で、許容できるリスクの範囲内から好きなものを選べばいいと思う。
しかし、他人が使うものを選ぶときは、値段とスペックだけでなく、品質を重視する。過去の経験上何となく壊れそうだなと思う物には特徴がある。
広く使われている知名度の高いメーカー
メーカーの知名度はまず最低限必要だろう。誰もが知っているメーカーは過去のこうした品質問題を解消したからこそ、長くメーカーとしての地位を保てている。品質基準も一定以上の高さを確保しているし、トラブルが生じた場合の対応も途中で逃げたりせずに対応してくれる。
隣国のような責任感の薄い国の企業の場合は、日本語がわからないなど適当な言い訳をして取り合ってくれないこともよくあるし、名もないメーカーの場合は最悪会社をつぶして逃亡される可能性がある。国外の場合何の保証も受けることができないかもしれない。
インターネット上の口コミの確認
既製品の場合は、必ずその製品やメーカーの口コミ情報は確認する。Amazonのレビューでもいいし、価格.comのレビューでもいいが、とにかくレビューの悪い評価のものには目を通す。
壊れた時の状況や故障品の写真があれば、故障の状況をよく見て、想定される使い方と故障のシチュエーションが近ければ製品を選択肢から外す。またその後のメーカーの対応などを見て、アフターケアの状況が悪ければ、メーカー全体を今後の選定対象から外す。
見た目のチープさ
耐荷重や耐久性テストなどをアピールしていて、内容に納得がいくとか、いろいろ個別の選定基準はあるが、とにかく見た目がチープだなと思う物は選ばない。
自分が使うことをイメージしてタブレットを選ぶとしたら、タブレットは持ち運びながら使うし、落とすことも想定される。ボディがすべてプラスチックでできているようなものは、落とせば割れることはイメージしやすいだろう。
会社で使うなら雑に扱われる可能性も考慮して保護カバーを一緒に購入する。またタブレットは重ね置きして充電をすると、熱がこもってバッテリー膨張が起きやすくなるので、複数のタブレットを充電する際には間隔を開けておくことができる充電スタンドなども用意する。
自分のためにも品質を重視して選定
会社で不特定多数が利用するものを選定する際、壊れやすい商品を選んでしまったら、メーカーへの問い合わせや交換対応は全部自分がやる羽目になる。頻繁に壊れるとその対応に追われて、仕事に支障が出る。場合によっては責任を追及されて評価にも影響するだろう。
個人的に頼まれて友人が使う機器などの選定を任されたとしたら、その商品の印象は直接自分の印象や評価に影響する。悪質な製品をつかませて友人関係に亀裂が入るようなことは避けたい。自分を守るためにも他人が使う物を選ぶときには品質を重視して選ぶようにしている。
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