債務超過の居酒屋チェーン店と止まらない冷や汗
5月中旬、定期的に通っている通院のため病院を訪れていた。いつも通りの診察を受けた後、五反田駅方面へ散歩をすることにした。
五反田駅周辺をうろつきながら、少し早めにランチをとることにしてとある居酒屋チェーン店へ入ることにした。
傾く理由は足元にある
この店舗を運営する会社は、新型コロナウィルス蔓延の打撃を受けて債務超過に陥っており、店舗の閉鎖が相次いでいる。回復基調ではあるが、債務超過解消の見込みは立っていなさそうだ。今後株式を買うか判断するためにも一度店舗の様子と味を確認しておきたかった。
店外から見ると一見きれいだが、まず入り口の階段で足の裏に違和感を感じた。店内に入ってみて、その違和感は確信に変わった。店舗に入らずとも階段を下りてみれば歩きづらいことがわかる。入る前の違和感で撤退すればよかったが、たまたまこの店舗だけかもしれない。味も確認しなくてはとタブレット端末のランチメニューからハンバーグと唐揚げの定食を注文した。
料理の量や味自体はランチメニューとして十分だったし、好きな人もいると思うが、メニューの名前と違和感があったのがこのハンバーグだ。箸で簡単にちぎれて口の中に入れるとふんわりなくなっていくやわらかハンバーグ。でも名称は「粗挽きハンバーグ」、名称から人は期待をしイメージを膨らませる、期待を裏切るならふさわしい名前にした方がいい。
厨房は若い女性二人で回していて、フロアは不慣れな年配の女性が担当していた。決済時にもQRコード決済がうまくできず、まだバイトを始めて浅いのだろう。人手不足なのかもしれない。多少不慣れでも私は落ち着いて待つのでかまわないのだが、床に触れた足の裏を取られるような違和感が頭から離れない。
どんな会社にも債務超過になるからには必然の理由があり、それはやはり訪れてみないとわからないものだなと、現地確認の重要さを実感する良い機会になった。この先客足が戻るイメージは持てなかったので、この会社の株式購入は見送ることにした。
この日は8600歩以上歩いて帰ったので疲れを感じていたし、帰宅した時には足が痛かった。この日の食事との因果関係はわからないが、この痛みは体の変調の兆しだった。
翌日から襲われた体に唐突な違和感
翌日朝起きると、両足のふくらはぎが大きく腫れていた。階段を上るとふくらはぎが引っ張られて痛みが走った。やや熱を持っていたので昨日の歩きすぎによる筋肉痛だと思っていた。
2日後、なぜか体重が突然1.5kg以上増えた。3日後になっても相変わらず足はパンパンに腫れたまま。夜寝る前にいつものようにビールを飲んで、少し体を動かしていたのだが、なぜか大きく息切れをしてしまった。「お酒を飲みすぎたのかな?」と思ってそのまま寝たが、この症状は病の前兆だった。
むくみ、食欲不振、息切れ、強い倦怠感は重大なサイン
定期通院から4日後、あまり眠れずに朝から喉痛と背中痛、強い倦怠感があり、まるで風邪を引いたような症状だった。健康保険証と連携しているマイナンバーカードの期限が近付いていたため、外出を予定していたが控え、この日からお酒を飲むのをやめた。
さらに翌日も倦怠感は消えず、37℃台の発熱をし、自宅の階段を上るだけで息切れをする状態になっていた。わずかに吐き気があり食欲がなく夕食は少量のざるそばを食べるのがやっと。夜寝る際には大量の冷や汗と立っていられないくらいの眩暈に襲われ、意識を失いそうになってベッドに倒れこんだ。明らかに何かおかしかった。
6日後、相変わらず微熱や倦怠感、食欲不振、足の腫れと痛みは続き、動悸が続いて眠りたくても眠れない状態が続いた。昼食は食べられず、夕食は好物のハンバーグだったが、ひとかけらとわずかな野菜を食べるだけ、まったくのどを通らない。水さえも飲むのが億劫だった。体力は徐々に落ちていく。家族には「ついていくから明日病院へ行こう」と促された。
7日後、症状は変わらないどころかむしろ悪化していた。病院へ行くことにしたが、10m歩くごとに息切れをして呼吸を整えるために立ち止まる必要があるくらい陸でおぼれていた。しばらく来ないバスをあきらめてタクシーで駅前の内科クリニックへ行ったが、インフルエンザ、新型コロナウィルスの検査結果は陰性、風邪との診断で薬を処方するといわれたが断った。
近くに区役所の窓口があったので、先延ばしにしていた健康保険証と連携しているマイナンバーカードを体を引きずりながら更新手続きをして帰宅した。
風邪の処方薬を断ったのは、この時病院でオキシメーターを渡されて測った数値が異常だったことに気づいていたからだ。酸素飽和度が94、脈拍は座っていても100を超えていた。新型コロナウィルスへの感染でないとしたら何か?
帰宅してから自宅に保管していた医療用のオキシメーターで計測すると、明らかに数値がおかしい。脈拍が安静時100前後、動けば120以上、酸素飽和度は常時94~95、少し立ち上がったり移動したりすれば90まで下がる。数日前にベッドに倒れこんだのは明らかに酸欠だった。眠っても1時間ほどで冷や汗をかいて目が覚めてしまう。
症状をまとめると、以下のようなものだ。これは明らかにある病気の兆候を示している。
- 大きくむくんだ足
- 急な体重増加
- 食欲不振
- 速すぎる心臓の鼓動に冷や汗
- 酸素飽和度の低下
ふくらはぎの痛み以外はなく、深刻には考えていなかったところがあるが、定期通院から3日後のメモには、足の状態を見て「心臓か?静脈瘤か?」と自分のメモには残っていた。うすうす自分でも気づいていたようだ。
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