金があれば仕事を辞めるのに!という人に宝くじは当たらない

早期退職/FIRE
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お金はやりたいことをやらない言い訳にはならない

私は毎日会社に行きたくない、仕事なんてしたくないと思って会社員生活を送ってきた。「もっとお金があれば会社なんて辞めて好きなことをして生きていくのに…」、いつもそんなことを考えていた。同じようなことを考えて日々働いている人は多いと思う。

ギャンブルなどはしなかったが、一獲千金を夢見て宝くじは定期的に買っていた。もちろん10万円を超える金額が当選したことは一度もない。

じゃあ何がしたいのと聞かれると、やりたい仕事は特になかったし、会社員生活の間、趣味は映画などの動画の鑑賞と、スポーツをテレビで観戦すること、ゲームくらいしかなく、毎日そればかりでは飽きることは間違いない。

学生時代はよく野球やサッカー、バスケなどをして遊んでいたが、体調を崩してからは汗をかく趣味はなくなってしまった。

もっとお金があれば

「もっとお金があれば仕事を辞めてやりたいことがやれるのに…」という人は大金を得ることができない。この言葉にはいくつか本当の目的を隠している部分があるからだ。

私は会社員として働いていた時、自分が「やりたいこと」が何なのかわからなくなっていた。趣味の動画鑑賞と、スポーツ観戦、ゲームなどはたまにやるから楽しいのであって、ずっとやっていられるほど好きなことではない。

もしこの状態で本当に大金が手に入ったなら、仕事を辞めてありもしない「やりたいこと」をしなくてはいけなくなる。これは「やりたいこと」をやれないのは仕事で忙しいから仕方ない。本当はやりたいことがない自分への言い訳を正当化しているのだ。

小説や漫画、アニメなどでは異世界転生ものが流行して久しいが、あれは自分のやりたいことが見つからない、自分の人生が思うようにいかないと考えている人の願望をよく表していると思う。どこか別の世界へ行けば、生まれ変わることができ、やりたいことをやれる、無敵のヒーローになれる、子供の頃の変身願望にも似ている。

この無意識の自分への言い訳は、本当に実現されてしまうと困るので、欲しいと言っている大金を得ることを脳は拒否している。望んでいないものを引き寄せることはない、宝くじも仕事を辞められるほどの金額は当たらないだろう。

宝くじを含めたギャンブル的な非効率的なものへお金を投じる矛盾、ストレスから酒やたばこ、風俗などで散財、本当は欲しくもないものに使ってお金を減らす行動をとっている。投資もわざわざ損失を被るようなものに投資をして、お金がたまらない方向へ進んでいく。とにかく仕事をやめる方向とは逆行する行為を繰り返すことになる。面白いものだ。

やりたいことがあったら言い訳などせずにやっている

例えば自分に本当にやりたいことがあったとしよう。本当に小説家になりたいという夢があったら、仕事があろうが、彼女とのデートの予定があろうが、親からあれこれ言われようが、寝る間も惜しんで小説を書き続けるだろう。プロゲーマーになりたいというのに、毎日深夜までゲームをやらないなんて考えられない。

誰かに何か言われたから、お金を稼がないといけないから、仕事があるから、と理由を立ててやりたいことをやっていないのは、やりたいことができないのではなく、やりたいことがわからない自分への言い訳なのだ。

「もっとお金があれば仕事を辞めてやりたいことがやれるのに…」と言っている人は、「やりたいことができないかわいそうな私」を作り出すのが目的になっているので、今の環境を変えたいと思っていないし、本当はやりたいこともすべて自分で否定し、無駄な出費をし続けて一生リタイヤできるほどのお金を貯めることはない。

本当に仕事を辞めたいなら

やりたいことがわからなくなっている人に、今すぐやりたいことを見つけろというのは時間がかかるので、やりたいことは後で考えてもいいが、本当に仕事を辞めたいと考えているなら、思考パターンを変えなくてはいけない。

私は会社員として働いている間、ずっと仕事を辞めたいと思っていたが、仕事を辞めてしまったら収入がなくなり生活ができなくなると考えて、仕事を辞めることができなかった。だが、ある日本当に仕事を辞めようと思った時、この思考パターンがパチンと切り変わったのを明確に覚えている。※金額はあくまで例

  1. 自分が生活していくのに最低限必要な金額はいくらだろう?
  2. 過去1年間に使った金額は? ※支出履歴を全部洗い出す
  3. 過去1年間の出費の中で必要のないものを省いたらいくら? ※固定費の算出
  4. 収入がなくなったら税金や保険料はいくらになる? ※市区町村のHP
  5. 退職金と確定拠出年金はいくらもらえる?
  6. 将来の年金はいくらもらえるのだろう? ※年金定期便
  7. 生活に必須な固定費はいくらだろう?
  8. 固定費の中でもっと節約できるものはあるだろうか?
  9. 必要となる年間240万円(月20万円)を安定して得るには?
  10. 90歳まで生きるにはトータルでいくらあればいいだろう?
  11. 年利4%以上で運用して年間240万円を得るには6000万円が必要だ
  12. 6000万円の資産を作るにはどうしたらいい?
  13. 転職するか?副業がいいか?投資がいいか?

…などといったように、仕事を辞めるという目的に向かって具体的に何が必要なのかを洗い出して、捨てるべきものを捨て、最低限自分が必要しているものをリストアップし、それを実現するために必要な金額を具体的にしていき、それに沿って行動をして目標を1つ1つクリアしていく。

私が実際に必要としていた金額は上記とは異なるが、これ以外にも自分が「結婚や子供を必要としているか?」なども自問自答して、「無理して働いてまで、誰かを扶養する義務は負いたくない」と考えて不要と判断した。そのくらい働くことが嫌になっていた。

無駄な出費を削った結果、自分が最低限必要とする金額がわかると、臨時収入が入ってきたりして、最低金額まであっさりと貯まった。本当の目的が明らかになると、思考は変わり、目的達成に向けて頭と体が勝手に向かっていくような感覚だった。

5000万円でFIREなんか無理?

「5000万円でFIREなんか無理だ、最低2億円は必要だ」という声を見聞きするが、それは無理なのではなく、FIREする気がない人の発言だと思う。※FIRE:Financial Independence, Retire Early

今、「最低2億円なければFIREできない」と言っていたあなたが、病気になってまともに働くことができなくなったとしよう。ここで選択は大きく2つに分かれる。

  • 病気でも2億円を稼ぐことができる仕事を見つける
  • 今ある資産と収入の中で生活できるように自分を変える

FIREができるという人は後者の考え方を持っている。できるorできないではなく、できるように自分を変え、人生から不要なものを切り捨てていく覚悟を持つということに他ならない。

海外に旅行に行っておいしいものが食べたい、タワマンに住んで贅沢がしたい、切り詰めた生活なんて嫌だ、という人は一生働いて贅沢をすればいいと思う。逆に贅沢より最低限の生活でいいのでストレスなくのんびり暮らしたいというなら、必要な資金がたまったところで早めにリタイヤすればいいのだ。何を犠牲にして何を得るかというトレードオフだ。

お金が少ないことで強いられる制限と、お金を得るために強いられるストレス、この2つを天秤にかけて、ちょうどいいバランスがとれるところは人によって異なる。

血尿出るくらい働いても贅沢がしたいならそうすればいいし、ほどほどに働いてほどほどの生活をしてもいいし、まったく働かずに老後まで自力で毎日食べていけるならそれでもいい。

無職も労働者だ

毎日仕事をして、労働の対価として賃金を得て、多額の税金を納めることは本当に大変だ。私には続けられなかったし尊敬に値する。だが賃金が発生するものだけを労働というわけではない。

専業主婦のような家事や育児もちゃんとやると大変な肉体労働だし、両親の介護なども重労働だ。庭で作物を育てることも、家畜やペットの世話をすることも労働だ。ボランティアも賃金はないが誰かの役に立っているなら労働だろう。

そこに賃金が発生していなくても、人間の生活に必要な労働をしているのだから、無職であっても日々労働はしているし、「働いていないクズだ」と罵られるようなものではないと思う。

個人的には生活保護を当てにした生活はFIREとはいわないし、自己実現にもつながらないので推奨していない。生活保護は国民の権利ではあるが、あくまで一時的な救済措置であり、楽をするためにあるのではない。基本的には借金をせずに自分を含めた家族が得た収入と資産の範囲で生活すべきだと思っている。

他人に迷惑をかけずに日々生きていけるのなら、誰にも文句を言われる筋合いはないと思うし、お互い干渉するのは時間の無駄なので、考え方が合わない人たちは別の世界に生きる人と考えて、お互いそっとして距離を置こう。働いて金を稼ぎたい人は大いに稼いでくれたらいい。私はひっそりと悠々自適に生きていく。

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