投資はギャンブルっていうけど
投資はギャンブルだからやめろという人がいる。確かに投資の仕方によってはギャンブルになる場合もある。業績の傾いた会社の株にベットして反発を狙うとか、株価が急騰している株によく業績などを見ずにベットするとか、いくらでもギャンブルとして投資する方法はある。
私が上述のように投資をすれば、投資したお金をすべて失うことになるだろう。実際オンキヨーホームエンターテイメント(6628)という会社の株式が大幅に下落した局面で、株主優待と救済による反発狙いで少額投資をしたが、倒産して紙くずとなったことがある。下手くそ極まりない。
業績が傾いた会社や、業績に伴わない株価の上昇など、その会社の実態に伴わない株価になっている株式に投資すれば、大損をする可能性は大いにある。
会社に就職して働くのが堅実か?
私も就職活動をして会社員として生活していたが、この世の中に日本の企業だけでも300万社以上ある。地方自治体などの事業所を含めると500万件を超える。その中から今の会社に就職した時、就職先の会社の業績や評判などを良く調べただろうか?
私は2002年日韓W杯の期間中に就職活動をしていて、大手電機メーカーの子会社を5~6社入社試験を受けて、3社ほど内定をもらい、その内の転勤が少なそうで実家から通える1社を選んだ。
大手電機メーカーが親会社なのでそうそう潰れないだろうと思って入社試験を受けていたが、会社は上場していないので業績などはわからない。我々のような氷河期世代は特に就職できれば運の良い方だったが、その会社が10年後、20年後存在しているかさえわからないのに就職していく。
会社は突然潰れる
実際入社してみると業績は悪くなかったが、就職してから20年の間に何度も会社は系列企業と合併して会社名も変わった。大手電機メーカーの子会社といえど業績が悪ければ、倒産や吸収合併などをされる可能性も十分にあることが分かった。
そして私が就職してしばらくたった2010年1月、絶対に潰れないと思われていた(株)日本航空が会社更生法申請によって倒産し、従業員の整理も行われ、株式は紙くずに変わった。
2020年3月の新型コロナウィルスの感染拡大によって、外食産業は手痛いダメージを受けて、次々と店舗を閉鎖し、債務超過に陥り、増資などでしのいでいる企業もあるし、倒産する会社も数多くあった。大手でもアパレル名門のレナウン(3606)は138億の負債を追って倒産した。
ろくに社会のことを知らない学生が、自分の知る狭い範囲の知識で会社を選び就職していく。その会社の業績が傾いているかどうかなんてわからないことすらあるのに、その後の会社員生活をかけて就職するのだ。就職はある種自分の人生をフルベットするギャンブルといってもいい。
収入源が自分の労働しかないのは大きなリスク
人生をかけて企業に就職して、健康な状態で20~30年働き続けたなら、万年平社員でも生涯の年収は1億円程度にはなるだろう。だがその1億円の内、20%以上は所得税や社会保険料などで天引きされ、さらに物を買えば10%の消費税がとられる。
政治家や官僚の政策などを見ても、その税金が適切に使われているようにも思えないし、税金の一部は年金や生活保護などのために支出されていて、働いていない人を支えるために働いている状況だ。個人的には会社員は国に税金を搾取されるために働いていると思っている。
これはすべて定年を迎えるまで健康で働くことができればという仮定だ。会社員として働いていると、自分の意にそわないことにも従わなくてはいけないし、残業や休日出勤などを求められて、ストレス過多になって体調を崩す人も多い。私のように健康診断の結果が年々悪化していく人もいるだろう。
こういうストレスを抱えた状況で働き続けていると、いつか突然病気などで日常が奪われることさえあることは以前日記にした。
自分の収入が自分の労働に完全に依存した状態で、病気を発症して働くことができなくなった場合、収入が途絶え家族はおろか自分一人さえ食べていくことができなくなってしまう。収入源を自分一人に頼っているというのは非常にリスクが高いことなのだ。
自分の労働以外に収入源を作る
突然の病気やアクシデントが発生することを考慮すると、収入源が複数あることが望ましい。最近は夫婦で共働きの家庭も多いと思うし、副業を持っていることも1つのリスク分散につながるが、収入源が自分の労働以外から得られるようにしておくことはとても大切なことだと思う。
自分の会社以外にもいい会社はある
自分が働く会社以外にも優良な会社はたくさんある。自分が日常的に使っている食料品や生活用品、趣味などで好んで使っているサービスが、上場会社であることも多いだろう。自分が使っていて良い商品だと思うのであれば、そう思っている人が世の中にもたくさんいるはずだ。
本当に良い商品であれば売り上げは伸びて、会社の業績も伸びていくだろうし、自分が使っている商品なら、使っていて品質が上がったなとか、落ちたなとか、別の商品の方がいいなと感じ、今後の会社の業績を知るヒントにもなるだろう。
良い商品やサービスを販売している会社を応援する目的で株式を所有すると、株主優待や配当金などを得ることもできるし、長期保有し株価の上昇していけばキャピタルゲインを得ることも可能だ。預金するよりよほど利回りがいい。
他の会社の業績や公開されている情報をみて、その企業の未来を予想し、これから業績が伸びていくと思える会社の株式を買うことで、株主になることができる。会社は株主の投資したお金を元手にして、設備や人材に投資をしてビジネスを行い、社会から得た利益を株主に還元する。つまり他の人たちに働いてもらって、その利益の一部を、株主となったあなたがもらうことができるわけだ。
株主となったあなたは自分で働いて稼ぐ以外に、誰かに働いてもらった利益も得ることができる。自分で働く以上に利益を得ることになれば、もはや働く必要すらなくなるかもしれない。
あなたの会社にも株主がいる
銀行に預けた預金は低金利の日本ではほぼ増えない。円安が進めば預金額の見た目は変わらなくても価値は目減りしていく。銀行はあなたが預けたお金を、あなたの代わりに他社に融資をして、銀行は利益を得ている。つまり預金も投資なのだ。預金は元本が保証される代わりに、得られる利息は非常に小さい。銀行がつぶれれば預金の一部は失われるリスクもある。
これから数十年に渡って伸びていく会社もあれば、数年後には突然つぶれる会社もある。会社に勤めたからと言って、給与が突然下がることもあれば、体調を崩して働くことができなくなる場合もある。永遠に安定した生活が保障されるわけではないし、就職しても投資と同じリスクがある。
就職してもリスクがあるなら、自分だけが働くより、銀行に預金を預けるリスクよりも、自分のお金を複数の優良企業に分散投資することの方がリスクが低いとは思わないだろうか。
投資はギャンブルだというなら、就職することもギャンブルだ、預金さえもギャンブルだ、人生はすべてギャンブルだ。リスクを取らなければ得られるものは小さいが、リスクは分散すれば人生への致命的なダメージを小さくすることはできる。労働1つに依存することの方がリスクだと私は思っている。
※株式の購入を推奨するものではありません、あくまで自己責任で購入をご判断ください。
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