仕事中寝ていても出世する人にあった特徴:人事評価は評価+好き嫌い

早期退職/FIRE
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自分にとって都合の良い人で周囲を固めるのが人事

私のまだ会社に勤めて頃、職場には課長相当の職位を持つ担当課長がいた。夜中に眠れない体調面の問題があったようで、午前中から頭が揺れ、昼休みが終わってもまたうたた寝をしている人だった。当然、就業時間中の長い時間寝ているような人は周囲からの評判はよろしくない。寝ていることにクレームも入るし、周囲も呆れてため息をつく人もいた。

彼の人柄は明るく社交的で、頭の回転も速い人だったと思うが、議論をしてもあまり話が噛み合わないことがあり、少し考え方が変わっている人というのが私の印象だった。彼の上司である課長や更に上の部長などは、彼の席を課長や部長の前に固定するなどして改善を図ったが、席を変えてもまったく改善しなかった。私も見ていてこんな人が担当課長かと会社の人事評価に呆れていた。

出世は仲間意識で決まる

私が上司なら就業時間中に頻繁に寝ているような人を担当課長になどしないが、人事評価というのは真面目に仕事をしているから上がるのではない。結局直属の上司だけではなく、取締役などを含めた経営層の覚えの良さで決まる。

彼の評価については、私は上司ではなかったので詳しくは知らないが、会社として必要とされる資格を保有していた。国家資格が必要な業務があり、その業務には彼の保有する資格が必要だった。割と取得難易度の高い資格だったので、業務が忙しい中同じ資格を取れる人は部署内には現れず、手放せない人材だった。

その他にも、年度計画でも中心的な役割を担当していたし、情報セキュリティや環境基準に関する被監査業務を担当し、国への報告が必要な建設業系の認証業務も担当していて、上長も彼の仕事については全部把握しきれていないところがあった。上司からすればいなくなると困る人ではある。上司から見れば自分たちの評価や業務量に直接関わる仕事をこなしていた点は評価されていたところであろう。

大切なのは相手の懐に入ること

就業中寝ていても、管理職が必要とする業務をしていたことは大切だが、彼が昇進するのに重要だったのは就業時間外の行動にあると私は考えている。

前述の通り彼の席は居眠り防止のために上長の目の前にあった。その上長には年度計画や業務効率化、人事などの件で根回しに来る他の部長や取締役クラスが訪れることがよくあったが、居眠りしている彼はこのお偉いさん達とよく世間話をしていた。普通一社員がそんなに取締役と親しいはずがない。

彼はタバコは吸わなかったがお酒と食べることが好きで、積極的に業務後の宴会には顔を出していたし、休日には上司や経営陣が参加するゴルフにも参加して、それらの幹事などもしていたことが会話から伺えた。ゴルフや宴会などを取りまとめて自分たちの面倒事を代行してくれる彼は、経営陣からすると役に立つ人であり、覚えが良い。

結局毎日居眠りしていた彼について、直属の上司は彼の寝ている態度をよく思っていなかったが、その後他の部署の課長職へと昇進した。居眠りしている彼がなぜ昇進できるのか?私以外にも少なからず不満に思った人はいただろう。

真面目に働いているだけでは出世はできない

私も会社から離れてみて感じるが、会社の人事評価は評価する人たちの仲間意識や好き嫌いが強く現れる。この人はこの会社ではいい待遇は得られないだろうなと思っていた人が、昔からの付き合いがあった親会社からの出向者が部長に着任すると、一気に情勢が変わり、課長から次長、部長へと昇進していったのを目の当たりにした経験がある。その人もその頃にやりたくもないゴルフを始めていた。

客観的な人事評価になるように人事部は評価制度などを作るが、客観的な評価はベースでしかない。業績の評価が低い人が昇進することはもちろんないが、真面目に仕事をしているからと言って昇進できるわけではないのだ。

もし自分が部長だったとして誰かを課長職へ昇進させるとしたら、やはり自分が扱いにくいと感じる人、自分の進めたいと考えていることに反対する人、自分とは考え方が合わない、何かと衝突する相手は選ばないだろう。どう考えても自分の評価を上げるのに役に立たない人の評価には、マイナスのバイアスがかかる。

普段からよく会話をしていて、人となりがわかっている、自分の考え方を理解してくれて、自分がやりたいことを進めやすい環境を実現できる人材を登用するのは当然だ。つまり自分にとって都合の良い人、仲が良い人にはプラスのバイアスがかかるので昇進しやすい。

昇進をするためには、大きな業績を上げて会社業績に貢献できる人材であることをアピールすることも大切だが、いちばん大切なのは上層部に気に入られることだ。いくらシステマチックに人事評価制度を作っても、高い実績があっても、上司が一緒に仕事をしたいと思わなければ、要職につくことは難しい。

仲間意識は評価に下駄をはかせる

「同じ釜の飯を食う仲」という言葉にある通り、おいしい食事とお酒を一緒に飲み食いし、陽気に騒ぐと人間は仲間意識が芽生える。ゴルフに限らず同じ趣味を持つコミュニティでは共通項をもってともに行動するだけで仲間意識が生まれる。

大きな船で航海をするとき、船長の指示通りに動かない船員では、船は転覆してしまう。同じ船に乗っている船員は全員命を共有する仲間だ。家族を大切にするように、仲の良い友人を優先するように、会社組織も身内で周りを固め、仲間意識で組織作りがなされていくものだ。

仲間の絆の外にある人からすれば、それは贔屓にしか見えないが、経営陣の意に沿わない人を要職につけるのはリスクでしかない。正当に評価されたいと思うなら、経営陣の目に留まり、懐に入り込む必要がある。

就業時間外に会社の人と関わらない人は正当な評価は受けづらい

私は派閥や政治が嫌いだったから誰の派閥にも入らなかったし、好き嫌いで評価をするような人事評価は間違っていると思う。どんなに業績を上げても就業時間中に寝ているような人が管理職になって、部下はついてくるはずがないと思っている。

私は自分が新人であっても、相手が管理職であっても間違ってることを間違ってると言ってしまうタイプだったし、飲み会は好きで若い頃は参加していたが、大して仕事もしなかったので出世とは縁がなかった。

努力は報われる、嘘をつかないというけど、それは正しい努力をして、正しいタイミングで、正しい場所にいた時だけ。ただ仕事を真面目に頑張っていれば出世できるわけではないのだ。自分の上司、さらに上の上司、上の上の上司の目に留まらないと、努力は空回りに終わる。

経営陣から要職に引き上げてもらうには飲み会でもいいし、ゴルフでもいいからまず上司に知ってもらい、そして下働きでもして、あいつはできるやつ、かわいいやつと思ってもらう必要があるのだ。人事評価はしょせん人からの評価だ。競争に勝ち抜いて高い評価を受けたいなら、上層部と仲良くなって評価に下駄をはかせてもらう方が有利だ。

就業時間外に会社の人と関わりたくない、飲み会なんてお断り!と思うなら、人事評価にはマイナスのバイアスがかかることは覚悟した方がいいだろう。経営陣からすれば、一緒に飯も食わないゴルフもいかないやつはただの目立たない人(モブ)でしかない。モブはモブだ、仲間よりモブを高く評価する人はまずいない。

私は尊敬もしていない人間に媚びるなんてことはしたくないし、間違っていると思うことには従いたくない。会社からすれば私はどうでもいいモブだろうが、私は私の人生においては紛れもない主役だし、自分のポリシーに反してまで彼らに従うのはお断りだ。お金や地位より自分の生き方を大切にしたい。不正を隠蔽するような会社のもとで仕事をするのに嫌気が差して会社をやめてしまった。

人事評価は他人が決めるもの、他人からよく思われなければ昇進は難しくなる。自分の評価は自分が決めるもの、他人からどう思われようが人生の主役は自分だということだ。

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